時事ニュース

米国都心部から郊外への人口流出が顕著


パンデミック以降、住宅販売の好調、住宅価格の高騰、さらにはウッドショックなど間接的な形で米国の都心部から地方への人の流れが推測されていましたが、改めてデータに基づいた転居の実態についてレポートされた記事がありましたのでご紹介します。

9 Million People Relocated in the U.S. Since COVID Pandemic Began Last March

https://www.worldpropertyjournal.com/real-estate-news/united-states/new-york-city-real-estate-news/real-estate-news-coronavirus-impact-on-the-us-housing-industry-in-2020-how-many-people-moved-in-2020-because-of-covid-19-nar-research-housing-data-2020-census-data-us-population-migration-patterns-in-2020-12357.php

新型コロナのパンデミックによって転勤などの理由による引越しが減っているのは明らかです。しかし2019年3-10月の転居数は884万人だったのに対し、2020年3-10月は893万人…約9万4千人増加しています。特に3月の転居を比較すると100万人-->123万人と大きく増加していました。
州を跨ぐ転居も全体の1/5ほどあり、ニュージャージー州、サウスカロライナ州、メリーランド州は特に転入の多かった州です。3-10月と暖かい季節に絞った統計のためいくらか季節的な要因もありますが、それを差し引いてもニューヨーク州は大きく転出が増えた結果となっています。
転居した人の4/5は州内での引っ越しですが、大都市に住んでいた人は少し離れた郡に移り住みました。例えば、ニューヨークからブルックリンやハンプトンズなどです。サンフランシスコからの転居の場合、以前住んでいた場所から半径60マイル以内の郡に移動しています。
多くの大企業では、従業員が長期的にリモートで働くことができることを発表しています。2021年の最初の6カ月間は同様の移住パターンが予想され、郊外や小規模な都市での人口増加が予想されます。

Pick up!

一部 or 全部のテレワーク労働者は新型コロナ前は20人に1人だったのに対し、新型コロナ後は3人に1人となりました。

驚くべき数字…単純にITインフラが整っているだけでなく、例えば契約書のサインをデジタル化するなど多くの企業が積極的に業務改善を行う姿勢があるからこそ達成できる数字です。

ニューヨーク州を離れた人の半分はニュージャージー州に移り住みました。

この記事で転入が増えた州の代表として取り上げられていたのがニュージャージー州でした。元々ニュージャージー州は人口流出が多い州で、その原因はニューヨーカーのベッドタウンとなっており税金や生活費が高いのが原因だったようですが、ここへきて流出する数よりも(ニューヨーカーから)流入する数が大きく上回る結果となったようです。これは一時的にバランスが逆転しただけのようにも思われ、近いうちにまたニュージャージー州は人口減に悩まされることになるでしょう。

夏の暑さを回避するためテキサス州は例年3-10月の転出が多く、2020年はむしろパンデミック前と比べれば転出数は少なかったといえます。

サンフランシスコからの人口流入の受け皿になっているとされるテキサス州ですが、そもそもサンフランシスコの生活費(家賃)高騰のため、新型コロナ前からテキサス州の人口は増え続けています。

おわりに

日本でも東京一極集中が新型コロナの影響により緩和される流れになるのでは…と一部で言われていたものの、結局のところは皆が新型コロナに慣れてしまい元鞘に戻ってしまうようにも感じられます。

私は断固としてリモートワークを続けます。今更ながらに他人と膝をつけ合わせて電車に乗ることが想像できません。今度東京に行くことがあるとすれば、観光から退職の時だと思います。

-時事ニュース
-, , ,

© 2025 外資系企業戦士のブリッシュ生活 Powered by AFFINGER5